名古屋大学  大学院環境学研究科  社会環境学専攻 経済環境論講座

涌田幸宏

経営組織論,経営戦略論が専門で,とりわけ新制度派組織論を中心にして研究を行っています.

新制度派組織論の主要なテーマのひとつが,新たな市場カテゴリーの形成と定着,組織構造や実践の普及です.新たな製品・サービスが市場カテゴリーとして成立するためには,多くの事業者がある程度類似した製品を生産しなければなりません.いわば,集合的な企業家活動の所産です.しかしながら,製品・サービスの新奇性が高いほど,不確実性が高く,社会的な認知度が低いため,競争上不利となります.このため,当該製品・サービス,実践の正当性を構築するための,企業家による言説戦略が展開されます.ここで正当性とは,ある社会システムにおいて,適切であり,妥当であると認識される程度と定義されます.

伝統的なイノベーションの普及理論では,初期採用者から後期採用者へとコミュニケーションチャネルを通じて,新しいアイデアが伝達される過程として普及をとらえていましたが,ある社会システム内での急激な普及を十分に説明できないという難点があります.いままで注目されてこなかった製品・サービス,実践がにわかに注目され,どのようにして市場カテゴリーとして制度化されていくのか.こうしたダイナミックな現象を新制度派組織論のアプローチから研究しています.

主な研究テーマは以下の通りです.

社会企業家のソーシャル・イノベーションについても関心を持っています.

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