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プロフィール

丸山 康司(まるやま やすし)

研究業績などは公式プロフィール(名古屋大学大学教員紹介ページ)をご覧下さい。

経歴

  • 一橋大学社会学部卒業
  • 東京大学大学院総合文化研究科相関社会科学専攻修士課程修了
  • 東京大学大学院総合文化研究科国際社会科学専攻博士課程単位取得退学博士(学術)(2002.12)
  • 日本学術振興会特別研究員(DC)
  • 青森大学講師
  • 産業技術総合研究所
  • 東京大学教養学部 特任准教授
  • 名古屋大学大学院環境学研究科准教授を経て現職

専攻・関心

  • 環境社会学・環境史・科学技術社会論・環境倫理

研究テーマ

問題関心

環境保全を進めるにあたっては難しい問題が発生することが少なくありません。

野生動物を保護しようと思っても、野性動物による被害が起こることもあります。

再生可能エネルギーの導入をすすめようと思っても、風力発電のように生態系への影響や騒音が問題になることがあります。

生物多様性の保全では、里山に象徴されるように人がかかわる自然が注目されていますが、誰が、何故、どのようにかかわるかという点で色々難しくなる場合があります。

このような具体的な問題を調べながら、人と自然の持続的な関係とはどのようなものかということを常に考えています。

これまでの研究テーマ

これまで下記のような研究テーマに取り組んできました。

獣害問題の環境史

自然には人間にとって好ましい側面と好ましくない側面の両方がありますが、その両方が不可分な場合も少なくありません。その典型例が野生動物がもたらす被害の問題です。自然保護が想定していなかった自然のあり方として関心を持っています。この問題は「人間か自然か」という二項対立になりやすいのですが、問題は単純ではありません。その社会的背景を明らかにしながら地域の人々の「被害」の内実を明らかにし、問題の立て方を変えながら「解決」を構想しています。

自然保護の歴史と理念

獣害問題と並行して取り組んだテーマです。近代的な社会制度としての自然保護が導入された歴史的経緯をたどりながら、その理念が生まれた当時の欧米の社会的文脈と日本への導入過程を見ながら制度と実態のズレについて考えています。

自然概念の成立過程

これも結構昔に取り組んだテーマで、本当はもう少し頑張らなければならないと思っています。自然という用語が今のような意味で使われ始めたのは近代社会の誕生とほぼ同時期で、現在の社会の自然に対する向き合い方の基本を方向付けていると考えています。実用性はゼロですが、こういう地味なことをやらねばと思っています。

市民参加型地域調査

日本自然保護協会と一緒に取り組んできたテーマです。人と自然のかかわりや、地域の人にとって大事な場所といったことがらについて専門家ではなく地域の人が調べるというタイプの調査です。自然をなぜまもるのかということを考える際に大切な取り組みだと思っています。これまで方法の開発や、その意義付けといった部分でお手伝いしてきました。(日本自然保護協会「人と自然のふれあい調査 」)

市民風車出資者の動機と環境意識

青森にいた頃に成行でかかわり始めた市民風車の取り組みがきっかけで、研究としても取り組んでいます。これまでの市民風車プロジェクトの出資者の動機やプロジェクトの社会的拡がり、地域社会にとっての効果といったことを調べてきました。

風力発電の社会的受容性

風力発電は良いことずくめなわけではなく、生態系への影響や騒音などが問題になることがあります。こうしたことから先進国を中心に反対運動が活発化しています。この問題を解決するには各種の影響を少なくするだけでは不十分で、その事業が周辺の人にとってどのような意味を持っているのかということも影響しています。こうしたことも踏まえて、風力発電の事業プロセスや利害の構造を見ながら、地域社会との相乗効果を生み出すような条件を探っています。

バイオマスエネルギーと地域社会

これも市民風車がきっかけで取り組んでいるテーマです。風力発電と違ってバイオマスの場合には材料の調達から消費までの流れを見る必要があります。これをまともに事業ベースで実施しようとすると経費的に合わなくなるケースが殆どです。この課題を解決するためには、何かのついでに運ぶような工夫や、資源の利用方法もエネルギーに限らず色々な使い道を考えるといった工夫が必要になります。事例としては青森県鰺ヶ沢町白神バイオエネルギーの取り組みを見ながら少しずつ研究を進めています。