第5章 トラブルシューティング

2012年1月2日

 卒業論文の提出期限は絶対だ。1分1秒たりとも待ってはくれない。名古屋港にゴジラが上陸したぐらいの大事件でも起こらない限りは、どんな理由であろうと言い訳にしかならない。しかし、卒業論文の執筆には様々なトラブルがつきものだったりします。そのようなトラブルを以下に回避するか、それも卒業論文執筆に必要な作業のひとつなのです。

 1.ワープロ技術編
 2.物資調達編
 3.提出間際の時間との闘い編
 

1.ワープロ技術編

 ひと昔前までは、ほとんどの卒業論文は手書きでしたが、最近はほぼ全員、ワープロやパソコンを使用して執筆するようになりました。そこで生じて来るのが、このワープロやパソコンにかかわるトラブルです。ここでは、そのようなワープロやパソコンをめぐるトラブルとその予防法、対処法をお教えします。

a.フロッピーに入れておいた文章がなくなっている!
 これが最もよく生じるトラブルです。このトラブルが生じる原因にはいくつかあります。が、これまで社会学研究室では次のような原因によるトラブルがありました。

 ①別々の文章を同じファイル名で保存したために、片方の文章が消えてしまった。
 ②フロッピーディスク(FD)の扱いが荒いため、ディスクが破損した。
 ③保存の際にパスワードを設定し、そのパスワードを忘れてしまい、読み出せなくなった。

 このうち、最も頻発するのが①です。このトラブルが生じたとき、大切なのは慌てないこと。最近のワープロは、文章のバックアップをとるように設定されていることが多いです。だから、慌てずに、バックアップファイルを探しだし、それを別名で保存すれば、一度は消えた文章を生き返らすことが出来ます。ただし、これは、そもそもファイル名を別々にしていれば回避できるトラブルです。

 次に、②ですが、これはトラブルが起きてしまうとどうしようもない。だから、普段からトラブル予防を行うことが大切です。FDは必ずケースに入れて持ち運ぶ。FDは磁気に弱いため、防磁ケースがより望ましいです。使っていないFDは必ずケースに入れる癖をつけておくことをおすすめします。FDのおきっぱなしは危険ですからやめましょう。また、複数のFDを準備し、バックアップを作っておけば、いざFDが壊れた時にも、もう1枚のFDに残ったファイルから文章を生き返らすことが出来ます。

 それから、③ですが、数年前に某氏がやりました。結局、泣く泣く最初から打ち直したとか。このトラブルを回避するためには、パスワード設定をしないということに尽きます。そういうと「卒論が盗まれたらどうする」という人が出てきそうですが、そういう人は卒業論文が盗まれる心配をする前に、盗まれるほど立派な論文を書く努力をしてください。

b.漢字が出てこない!
 ワープロは文章を書くための機械とはいえ、すべての文字を知っているとは限りません。中には出てこない漢字もあります。もちろんその漢字を教えれば憶えますが(外字登録という)、ワープロに漢字を憶えさせるのは結構手間がかかります。卒業論文を書きはじめる頃には、そんな暇は多分ないでしょう。このような場合、とりあえずその文字の部分を空白にしておいて、最後に手書きで書き込む。それしかありません。

c.執筆中に機械が壊れた!
 よくあるのが、提出間際にワープロのプリンタが壊れたというトラブルです。この場合、FDが生き残っていれば、文章は別の機械で読み出すことが出来ます。だから、自分が使用する機械と同じ機械をもっている人が誰であるかを確認しておきましょう。また、MS-DOSフォーマットのFDにも文章を保存しておけば、社会学研究室のパソコンを使用して作業をすることが出来ます。そして、壊れた時に、同じ機械を購入することが必要になる場合もあります。それなりのお金を準備しておきましょう。

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2.物資調達編

 論文を書くための物資も重要だ。予備の物資を含めて、必要なときに必要なものが手元にあるという状態にしておきたい。

a.お金
 別に買収しようというわけではない。卒論執筆にはそれなりに金がかかるものである。書籍代、調査費用、コピー代などなどはすべて自腹である。しかもアルバイトなどに費やせる時間は少なくなる。だから、前もってある程度のお金を銀行などに準備しておくべきである。

b.黒表紙
 卒業論文の表紙になる。年があける前に買っておきたい。売り切れで表紙が手に入らず、1人だけみんなと違う表紙というのは、情けないものがある(そういえば、集団で表紙がないと騒いでいたこともあった)。

c.インクリボン・インクカートリッジ・トナーカートリッジ
 プリンタにあったものを買っておく。卒業論文執筆の際は、何度も打出しを行うので、予備も準備しておきたい。また、提出用の卒業論文は鮮明な印刷にすべきである。いくら内容勝負とはいえ、見た目も重要だから、提出用の論文は新しいインクやトナーを使おう。

d.FDと紙
 ワープロを使用する場合、FDは数枚使用して、バックアップを心がける。また、プリントアウトに用いる紙も消費量が結構多いので、大量に準備しておく。普段、感熱紙を使っている人は、早い目にPPC用紙を買っておこう。感熱紙での提出は出来ないし、感熱紙で打ち出してコピーをとろうとしても、最後にコピーの時間が残されているとは限らないのだから。

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3.提出間際の時間との闘い編

 論文は、時間をかけるほど出来がよくなる。しかし、就職活動などに追われ、気がつくと時間がないということが多い。そうでなくとも、締切があるので、限られた時間内で論文を仕上げることが要求される。つまり、卒業論文は、最後は時間との戦いである。

a.書いたけれども自信がない
 書くには書いたが自信がない、これでいいのだろうか、そう思ったら、遠慮なく研究室に来よう。先生でも大学院生でもいい。書いたものを読んでもらおう。書いたものに対して、いろんな意見を言ってくれるだろう。ただし、書いたものがなければ、意見の言いよいがない。また、提出直前に意見を求めても手遅れである(手直しの時間はない)。

b.わぁ、朝だ! 提出だ! どうしよう!
 何度も言っているように、提出期限に1秒たりとも遅れた卒業論文は受理されない。しかし、ぎりぎりまで論文を執筆している人がほとんどだろう。そうなってくると、時間を逆算しながら、執筆、プリントアウト、コピー、綴じを行わなくてはならない。プリントアウトは、意外と時間がかかるので、出来た章から順次プリントアウトしておくのが望ましい。自宅や下宿を出てから大学の教務掛にたどり着くまでの時間も、余裕を見ておく必要がある。電車の遅れや道路の渋滞が命取りになることもある。いずれにせよ、余裕をもった行動が必要だ。そのためには、何事も早めに行う。それに尽きるのではないのだろうか。